a day trip to Rumšiškės from Kaunas
リトアニア野外民族博物館に行ってみたくて、カウナスからバスで向かうことにした。運転手さんに聞いてもピンと来ていないみたいだったけど、住所を示してバス停を伝えると乗せてもらえた。朝日が入る窓側の席。ラジオの音が響く車内。1時間弱で到着したはず。
小さな村に到着して、住宅地と野原を通りぬけて博物館の入り口へ。途中には何度か現地の人たちに出会い、私たちを見ると’よく来たね’というような風にはにかみながら頷いて挨拶してくれて嬉しかった。そして、目の前に現れた”リトアニアへの旅の追憶” に登場したメカスのお母さんのような女性を目で追いかけた。
博物館はオープンしていたのだけど、私たちの他に1~2グループしかいない。大雑把なマップをもらって広大な敷地を散策し始める。ここではエリア別に伝統的家屋が並んでいて本来は中も見学できるはずだけど、ほとんど鍵が開いていなくて窓からうっすらと覗くだけ。屋内の設えや道具はほぼ見れなくて、森を散歩。でも自然の音は美しくて夕方になるまで十分に楽しんだ。リトアニアに来た主な目的は森だったので正解。
チェックしていたバスの時間に間に合うように着いて待っていたら、バスが来た。’KAUNAS’ と行き先にあるので乗ろうとすると運転手さんに ‘No!’ とだけ言われて乗れなかった。何故?またもう1本待ってみる。来たバスの運転手さんに尋ねると、違う方を指差している。首を傾げながら、指を差された方向へ歩いてみても分からなくて、学校のような場所やお店を見つけたので、誰かに聞いてみることにした。工事現場の男性に質問しても分からないと言う。どうしたものか、もう一度同じバス停に戻って ‘KAUNAS’ と書いたバスが一周回ってやってきたので懇願し、他の乗客のお姉さんも何か言ってくれて、やっと乗せてもらえた。ホッとした。とりあえず今日中に帰れそう。終点に着いた時に意味が分かった。乗客全員が降りて行った後に運転手さんがしばらくしてから、ミラー越しに私たち(終着点とは知らずに車内に残っている)を見つけてハッ!と驚いてココだよ降りて!と言った。カウナスではあるけど街の端っこで、私たちの乗ってきたターミナル駅ではなかったのです。なるほど。市バスは通っていたけれど乗らずに、そこから約1時間くらい雨の中を歩き続けて、宿のある中心街へと辿り着いた。そして、その時に面白い変な展開が起こる。公園の中(図書館前)を歩いていた時に後ろから1人のお姉さんが一生懸命走って私たちを呼び止めた。洋服を作っているのでモデルになってくれませんか?とのこと。初めて見かけたアジア人だったよう。明日には首都のヴィリニュスに出発すると言うとそこまで行くのでどうですか?とお願いされて、とても誠実そうな方だったのでお受けすることにした。彼女と出逢うためのバスになかなか乗せてもらえないグルグルとした時間だったと思う。
長い1日の終わり。
text & photo by Hisayo