2022-07-05

WWOOF en Aveyron à l’été 2010

chez Marie-claude à proximité de st-afriques, France

私たちが住んでいたモンペリエから車で2時間ほどの小さな村。モンペリエで出会ったあきこさんとフィリップさんというカップルの紹介で、WWOOFerの受け入れをしているファミリーのお家に2人でお世話になった。先に夫が滞在していて、私は前回の場所を離れて合流したので、私は2週間の滞在だった。そこは広大な敷地と大きな古い家で、大家族が共に暮らしていた。マリ・クロウドというお母さんを中心に、マイペースに自分の小屋を立てながら1人でヴァン生活をしているお父さん、その娘のミュリエルは耳が不自由で人の口の動きを読んで会話をする、とてもよく喋る元気な人。ミュリエルの夫と4人の子供たち、そして長年滞在しているWOOFerのイタリア系フランス人トマ。

夏の盛り、小さな村のフェスティバルに連れて行ってもらったり、毎週末、St-affriqueで開催されるマルシェでの出店について行ったりした。普段のお手伝いの内容は、毎日大量のプラムを収穫して、ひたすら大鍋でジャム作りと瓶詰め作業をすること、夫は毎週1度のパン作り(天然酵母・窯焼き)を手伝ったり、畑仕事をしていた。私はジャム作り以外の時間、2歳と3歳の子供たちと遊ぶことが日課となっていた。本当に可愛い男の子たちで、かくれんぼしたり、庭に設置されたトランポリンで遊んだり。後は上の子達とミュリエルと一緒に夜はカードゲームをしたりした。その時のフランス語のフレーズはずっと耳に残っている。これは私たちの体験の記録です。

古い家と広大な敷地は、何十年も前にマリ・クロウドたちご夫婦がパリからフランス中を旅をしていた時に見つけて購入した土地。当時は友人たちと一緒に畑を始めて共同生活をしていたそう。

マルシェの日。トマが店番しているところへ遊びに行った。夏の間は収穫した野菜とパンとマリ・クロウドの作るヤギのチーズなどを販売していて、冬になると私たちもお手伝いしたジャムなどの保存食を売るのだろう。家のひんやりとした地下の保存倉庫に沢山の瓶詰めが保管してあった。

ヤギの小屋は見学だけ。ヤギがこちらを一斉に向くところはいつ見ても可愛くて面白い。

小さな村の夏まつり。お祭り・パーティーという意味のfête フェットというフランス語の響きが好きだ。そしてあの日の夜、映画で観たようなサーカスが忘れられない。夢の中みたいだった。ミュリエルたちが1日中焼いていたクレープは大繁盛だった。

いつもご飯の時間になるとおもちゃみたいな小さいトラクター?でやってくるお父さん。その音で”あ、ご飯だ”と気づく。少し離れた場所に1人でコツコツと不思議なお家を作っていた。最近知ったのだけど、私の夫もお手伝いした日があったらしい。私の記憶ではUFOみたいだと思っていたが、写真を見返すと帽子みたいな形だった。どちらにしても不思議。完成までは、向かいのヴァンを改造した家で1人暮らし。

私たちが去る最後の夜。めったにつけないTVをつけてサッカー観戦。お姉ちゃんが小さい弟に “Allez,Lyon! Allez,Lyon!(行け!リヨン!) “と 延々言わせていた。可愛い光景だった。喧嘩もよくする、仲良し家族。

愛しい時間。

フランス滞在で知ることになった、日本人の福岡正信さんが提唱した自然農法。ここでもその名前を聞き、特にマリ・クロウドとトマが興味を持って、実践しようとしていた。まだ自然農について不勉強だった上にフランス語の聞き取りが追いつかず、彼らのやりたい方法を理解し切れていなかったことは今でも反省している。(帰国後に数年間、学びの場へ足を運んでからやっと理解することになった。)

話している人の口元を読んで会話するミュリエル。話をする時には発音を正しくしないと伝わらない。雰囲気ではダメで、時にバター “beurre”の発音が上手くできなかった。難しかったし、今でも自信がない。

初めは心を開いてくれていなかったトマが徐々に打ち解けてくれて、冗談を言ったりジェスチャーでふざけたりしてくれたのが嬉しかったし、仕事を終えた夕方や夕食の後、テラスや部屋から流れ聴こえてくるアコーディオンの演奏が素晴らしかった。

みんな元気かな?私たち2人ともが共有した時間だったから、時折思い返して話題に上がる。今ここに繋がる体験。

text & photo by Hisayo

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